【イベントレポート】gluユーザーサミット 2020
アタラ合同会社は9月18日(金)に、運用型広告レポート作成支援システム「glu(グルー)」を導入しているユーザーを対象とした、gluを最大限活用するためのヒントを探る参加型のイベント「gluユーザーサミット2020」を開催しました。このイベントは、普段からgluを使っている方々の「gluをもっとうまく活用したい」「他社はどのような使い方をしているのか知りたい」といった声に応えることを目的としたもので、昨年に続き二度目の開催です。今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、初のオンラインでの開催となりましたが、多くの方に参加していただきました。
当日は、今後のgluアップデート情報の解説やgluを活用する上でのベストプラクティスの紹介があったほか、ブレイクアウトセッションでは少人数のグループに分かれて参加者の皆さまがディスカッションする機会も設けました。
本記事では、イベントの様子を当日使用したスライドなどを交えながらレポートします。
登壇者の紹介
アタラ合同会社 CTO
加藤大樹
アタラ合同会社 コンサルタント/gluアカウントマネージャー
荒木智陽
glu 今後のアップデート情報について
第1セッションでは、アタラ合同会社のCTOである加藤が、gluの今後のアップデート情報について解説しました。「データ収集エンジンであること」「データ整理エンジンであること」「データ配信エンジンであること」というgluの思想とポリシーの3本柱についても語り、「あちこちに散在するデータを整理整頓して、データそのものの価値を高めるツールを目指す」という目標が挙げられました。
gluの今後については、短期的な予定と中長期的な計画が発表されました。まず、短期的な予定としては、媒体の追加やレポート出力の多チャンネル化、安定性・使い勝手の向上という部分を中心に開発を進めています。それには、DomoをはじめとするさまざまなBIシステムへの連携強化も含まれており、それ以外にも動作速度の改善やエラーの自動回復も期待されています。
それらを踏まえた中長期的な計画としては、データの永続性と流通性の向上が挙げられました。これはユーザーの資産であるデータの価値をより高めるために、データの永続性を担保しつつ、流通性を向上させていく取り組みといえるでしょう。加藤は「データそのものが資産のように流通していく時代が来ることを鑑み、それに備えた機能を重点的に開発していく」と主張しています。
具体的には「オプショナルパッケージ」や「レポートデザイナ(仮)」という単語が挙げられ、機能の開発が予定されています。現状ではAPIを接続してデータを集めてくるのが中心になっているものを、今後はgluにRPAの要素も搭載することで、ニッチ・非APIデータを自動的に回収できるようにしたいといった発表もありました。
オプショナルパッケージについては、すでにgluの機能に一部追加されています。gluでデータ収集することで、Excelレポート・Googleスプレッドシートへの出力、可視化したい各種BIシステムへの接続などといった「出力・接続」設定がインポートするだけで使えるようになるという機能です。
レポートデザイナはまだ仮称ですが、レポートやデータをビジュアルで出しながら、データを簡単に接続できるような機能です。現状では、Excelやスプレッドシートにレポートタグを書いたりダウンロードしたりしてレポートを出している部分を、将来的にはより簡単にイメージしながら直接glu上でグラフや一覧表として見ることができるようになる予定です。
これらの展望を掲げて「データ資産を高めるというところに力を注いで開発していきたい」と加藤は語っています。
glu×BIシステムのすすめ
第2セッションでは、アタラ合同会社の運用型広告コンサルタントであり、gluのアカウントマネージャーでもある荒木より、gluで収集したデータをBIシステムへ出力連携することで、よりgluを活用できる幅が広がる提案と、アタラにおける運用型広告コンサルタントのglu活用方法が紹介されました。
アタラでは主に、glu事業、データコンサルティング事業、マーケティングコンサルティング事業(広告インハウス支援も含む)を展開していますが、運用案件でgluを利用している割合は約90%にのぼります。また、約7割の案件でBIシステムを利用しており、運用調整や日報、クリエイティブ分析レポートなどに活用されています。
アタラにおけるglu利用状況のまとめとしては、次の2点が発表されました。
・BIは、スキル習得や初期構築に時間がかかるものの、分析や資料作成の業務効率化ができていると実感する人は多い
・ExcelとBIは共存し続けるが、BIを使い慣れている人の場合は、ほとんどExcel を使わずBIのみを利用する場合もある
一般的にはまだExcelが主流の組織が多いことが伺えますが、荒木いわく、glu×BIシステムの活用により、業務効率化とデータ分析の多角化が可能になり、CRMデータや機械学習の併用でより高度なマーケティングの実施が可能になるとのことです。
BIシステムで構築できるダッシュボードイメージの利用例や利用シーン例が複数紹介されました。例えば、全社向けの広告実績の進捗管理、より詳細に各媒体の数値や日々の予算・目標管理が可能となる広告運用者向けの広告実績の進捗管理、クリエイティブレポートといった例が挙げられました。
gluを使えば広告APIを通して広告タイプや画像サイズ、画像URLが取得できるため、クリエイティブレポートでは、広告に利用している画像ごとの数値を表示させることが可能になります。
さらなる発展型として、広告データと広告以外のデータをかけ合わせたダッシュボード例も紹介されました。荒木はクリニックを例に挙げ、gluで取得した広告データとGoogleスプレッドシートなどで取得した来院数データや気象データをかけ合わせることで、実際の来院単価を確認しながら広告の予算配分を行ったり、天気ごとの来院傾向を確認したりといった多角的な視点での分析が行いやすくなると解説しました。
参加者によるグループディスカッション
最後のセッションでは、三つのルームに分かれて参加者によるグループディスカッションが行われました。参加者からは「他社の導入状況を伺うことができた」「他社の活用の話も聞くことができ参考になった」などの感想をいただきました。
今回のイベントは合計1時間という短い時間でしたが、アタラのメンバーとgluユーザーの皆さまがオンラインで顔を見ながら交流することで、アタラにとってはもちろんのこと、参加者の方々にもさまざまな気付きがあったのではないでしょうか。
皆さまからいただいたご意見をもとに、よりパワーアップしたgluの機能拡張・サービスをお届けしていきますので、ご期待ください。